エミレーツ航空新型ファーストクラスに乗りたくて・・・
世界で一番初めにファーストクラスに扉付きのプライベートスイートを導入し、名実ともにファーストクラスのプロダクトをリードしてきたエミレーツ航空。その「プライベートスイート」はもうこれ以上のプロダクトは有り得ないのでは、とも思えるほどの「完成系」と思っております。
しかし最近ではEKに対抗するように、エティハド航空がファーストアパートメントと呼ばれるシートを導入しました。エミレーツのファーストのシートアブレストが1-2-1であるのに対し、エティハドは1-1となっていて異次元のプロダクトと世間を騒がせたのは記憶に新しいところです。同プロダクトのレビューはこちら。
さらに、A380のパイオニアであるシンガポール航空もエティハドに並んでA380のシートをリニューアルし、同じくスイートクラスのシートを1-1配列にアップグレードしたシートを投入してきました。こちらも凄まじいシートでございました。同レビューはこちら。
そんな他社の猛追を受けてエミレーツ航空も2017年12月にB77Wに対抗馬となるGame Changerと呼ばれるファーストクラスを導入し、ジュネーブ線とブリュッセル線に就航させました。
エミレーツファンかつ自称プレミアムフライトを追う航空ブロガーとしては、この新型シートをレビューしない訳には参りません!しかし困ったことにエミレーツはこの新型プロダクトを頑なにアワードに開放せず、選択肢が有償チケットしかない中、やきもきする日々が続きました。
「どうしてもエミレーツの新型ファーストに乗りたい!!」大金をはたいて有償のチケットでも購入しようかと思って安い海外発券がないか探し回ったりもしました。
有名な発券地でコロンボ、カイロあたりの値段を見ると東京発券よりも安くはあるのですが、お徳感があるほどの安さではありません。
必死に色々な発券地の料金を探し回ると、意外とブリュッセル発券の料金が手頃であることに気づきました。往復のうち片方をビジネスクラスにする、目的地を東京ではなく関空にすることで3,021ユーロ程度まで値段を下げることができそうでした。
ファーストクラスとしては格安の部類に入る、だけどそこそこ「いい値段する」という絶妙な価格設定になかなか踏ん切りが付かず、何度も何度も決済手前の画面まで進んでは最後のポチっができない日々が続きました。
そんな中、それは突然にやってきました。遂に77Wの新型シートが2日前になればアワードにも開放されるようになったとの情報をキャッチしました!!2日前開放というのはルフトハンザの14日前開放を遥かに凌駕する予約難易度の高さです。しかしこのチャンスと逃す手はないと思い、必死に乗りに行くための戦略を考えました。
エミレーツ航空 B77W 新型ファースト就航路線
まず重要になるのは新型ファーストの機材の就航路線です。2019年5月現在、公式には以下の路線に就航しています。
EK33/34 ドバイ=ロンドン/スタンステッド
EK43/44 ドバイ=フランクフルト
EK89/90 EK83/84 ドバイ=ジュネーブ
EK183/184 EK181/182 ドバイ=ブリュッセル
EK59/60 ドバイ=ハンブルグ
EK312/313 ドバイ=東京/羽田
EK819/820 ドバイ=リヤド
ただし、機材繰りの都合で上記以外の路線に投入されることもあるようで、例えばコロンボ線にも入っていることがあるみたいです。また今後以下の路線にも投入されることが決まっています。
EK855/856 ドバイ=クウェートシティ(2019/6/1~)
EK658/659 ドバイ=マーレ(2019/6/1~)
2019年5月現在、以下の機体番号の機材が新型スイートにレトロフィットされた機材になっています。FlightRaderなんかで路線投入の履歴を検索するときに役に立つかもしれません。
A6-EQH, A6-EQI, A6-EQJ, A6-EQK, A6-EQL, A6-EQM, A6-EQN, A6-EQL, A6-EQO, A6-EQP
アワード開放の条件
次に問題となるのが2日前にアワードに開放されてくる条件です。もちろん有償枠が満席であれば可能性はありませんし、搭乗率が高ければ可能性は低くなります。私の場合、「有償枠に5席の空席がある日はアワードに開放されてくる」との情報を元に、まず5席ファーストに空席がある日を候補日としてあげました。
KVS ToolではFクラスの最大表示が4席までしか表示されず5席空いているかどうかは分からなかったので、エミレーツの公式サイトにFを5人で検索して、残席が5席以上あるのか確認していました。
しかし、とある方の研究によるとFの残席が「3」の時でも開放されてきた実績があるとのこと。私はエミレーツ内部の人間ではないので正確にどのような条件で開放されるのかは分かりませんが、可能性を上げるためにも極力残席が多い日を選ぶのが望ましことは言うまでもないでしょう。
またさらに、不確定要因としてEK上級会員のビジネスからのアップグレードも考慮する必要もあるでしょう。実際私が乗ったフライトでは、予約段階での予約率は私を含めて2/6でしたが、実際乗ってみると5/6になっていました。
同じ便に乗っていたドバイ在住のインド人ご夫婦(ともにEK DOLD会員で、ご主人は飛行機オタクw 私と同じく新型スイート目当てで乗っていた!)がビジネスからのアップグレードで乗られていました。直接お話を伺ったところ当日空港でアップグレードがコンファームしたとのことです。
つまり表面上空席が多いように見えてもアップ待ち人数によってEKがどのように空席をコントロールしてくるのかがポイントとなってきます。残念ながら現時点ではこの辺りの詳しいデータは持ち合わせていません。
幸いにも私が乗ったフライトではアップ待ちの人数が残席以下だったと思われ、無事にアワードにも席が開放されたので搭乗することができました。
ルーティング
前置きが長くなりましたが、以上のようなことを頭に入れつつ、自分のスケジュールとも相談しながら最終的には以下のようなルートで発券しました。
(FFP)JMB
(必要マイル数)165,000
(航空会社)EK/EK/EK
(クラス)F
(ルート)PVG/DXB/HND///NRT/DXB
(機材)A380/B777/A380
(諸費用)59,110円
(マイル単価)17-18円程度※EK/エミレーツ航空
まず出発地は上海。そもそも自分が希望する出発日に東京便が空いていなかったこと、ソウルや香港、東南アジアなどキャリアサーチャージが安い都市も空席が厳しく、消去法的に上海便になりました。中国発はキャリアサーチャージが高く設定されいる(5万円程度)のが厄介でしたが、これは新型ファーストに乗ると思えば致し方ない出費として妥協しました。
上海からドバイに到着後は、ドバイ→成田のファーストクラスを押さえておきました。もちろん事後的にこの区間を羽田便の新型ファーストに変更する想定です。
そして念には念を入れて、もしもその便の新型ファーストが空いてこなかった時にリベンジできるように羽田→ドバイをもう1区間最後に付けておきました。アワードチャート上、このアドオンはわずか3万マイルで付けられましたので、これも保険のためには致し方ないと思って付けておきました。結果、今回の必要マイル数はトータルで16.5万マイルになっています。(最後の1区間を付けなければ13.5万マイルで発券可能です)
以上、全てオンラインで発券したため、発券手数料はかかりませんでした。
決戦の日、ファーストクラス開放のタイミング
そしていよいよ決戦の日(2日前の開放日)がやってきました。ポジショニングのためにANAの上海便で上海虹橋に到着したのが現地時間の13時過ぎ、従ってドバイ時間の9時頃です。EK羽田行きの現地出発時刻が8時ですので48時間を切ったところとなります。
JALのシステムは48時間を切ると特典のオンライン発券・変更が一切不可能になりますので、電話して変更をかける以外に選択肢がなくなります。そのため、上海虹橋空港到着後、直ちに日本のJLに連絡して空席の有無を確認しました。しかし無情にもファーストの特典席に空席はないとの回答。。。
でも今回は根拠のない自信がありまして、「絶対成功する」と思ってましたw。もう少ししたら席が空いてくるだろうと。なんでそんな自信があったかといえば、自分とEKの相性は最高だから。えぇ、本当にただそれだけなんですw それくらい自分は過去EKにはいい思いさせて貰ってますのでw
ということで、上海市内のホテルに着いてから改めてJLに連絡しました。
とのことで、無事新型ファーストへの変更が成功したのであります!!長年のEK愛が成就したような喜びを感じたのでありました(笑)
ちなみにシステムの制約上、直前の変更はWEBからできないのですが、それでも変更手数料の5,400円は徴収するとのこと。日付変更が完全無料で自由自在なAMCと比べると相当なディスアドバンテージですが、これも新型ファーストのためならやむを得ない出費ということになります。
エミレーツ航空新型ファースト予約のまとめ
EKがこの新型スイートを導入してから苦節1年半、なかなか搭乗機会に巡り合えなかったですがようやく念願叶って発券できました。
2018年11月にJMBのアワードチャートは改悪されましたが、それでもEKのロングホールファーストを3レグ飛んで16.5万マイルはまだ[許容範囲]と言ったところかと思いました。もしもこの旅程をすべて有償で発券したとすると料金は合計294万円となり、マイル単価17.8円と久しぶりのBig Dealでした。何よりEKの新型スイートに搭乗できたことは何事にも代えがたい体験だったのでした!!
JMBからJL自社便を予約しようとすると、①必要マイル数が高い、②就航路線が少ない、③特典枠が少ない、④CとYはキャンセル待ちができない、と4重苦な訳ですが、提携他社の特典はまだ使い道があるかと思います。EK, QR, CXなどを中心にこれからも活用していきたいと思います。
以上、念願のEK新型ファーストクラスの発券についてのレビューでした。搭乗レビューアップまでは今しばらくお待ちください。
いいですね!777-300ERのニューファースト!!私は7月にスコットランドに行く際のKIX⇔DXBでFにアップ出来ましたが…380です(ToT)でも、知識量と情熱が凄いですね。レビュー楽しみにしてますね。
◆オクダさん
コメントありがとうございます。またアップグレードおめでとうございます!
A380でも十分に素晴らしいですから是非楽しんでください!