先日アシアナ航空のフランクフルト便を利用した際にフライトが4時間半程度遅れ、仁川での乗り継ぎに失敗しました。その時の私が取った行動やアシアナ航空の対応についてレビューしたいと思います。
ここのところ接触事故や機材故障による遅延、機内食のケータリングなどで世間を騒がせているアシアナ航空。日本でもニュースになっていますね。例えばこんな記事。
どうも最近A380の調子が悪いみたいですが、私もフランクフルトから搭乗した際にやられてしまいました。
遅延の経緯
アシアナ航空OZ542便は搭乗開始時刻通りに搭乗を開始しました。出発準備に時間が掛かったようで30分程遅れての出発となりましたが、一応はゲートを出発できました。ところが滑走路に入ったところでタイヤパンクが発生したようで、ゲートに引き返す旨のキャプテンアナウンスが入りました。
シップはオープンスポットにスポットインし、タイヤ交換の修理が行われることとなりました。チーフからは作業に少なくとも1時間は掛かる旨が告げられました。
しばらくしたところで担当CAさんより、他のクラスはミールサービスを始めますが、ファーストクラスはサービスに時間が掛かるので途中でサービス中断になってしまうかもしれません。それでもよろしければお食事を提供させていただきますとの旨、申し入れがあったので食事を地上で済ませてしまうことにしました。
幸か不幸か「サービスが途中で中断するかもしれない」とのCAさんの懸念は杞憂に終わり、結局タイヤ交換作業中にメインまで辿り着いてしまいました。この後デザートまで出てきて、ファーストクラスのサービスが地上で完結してしまいました。(笑)
結局当初の出発時刻18:30に対して、修理が終わって出発準備が整ったのは23時近く。夏の欧州でもさすがにあたりは暗くなっていました。
さて今回ソウルで取っていた乗り継ぎ時間は2時間15分。1時間程度の遅延だったら何とかなったでしょうが、ファーストクラスのミールサービスが終了するくらい遅延したら、どう頑張っても乗り継ぎは無理です。
食事をしながら代替便のスケジュールと空席状況の確認を行っていました。こういった時は下手なGHに任せておくよりも自分で振替便を探してしまうほうが早いです(笑)
私が使用しているのはKVS Availability Toolというもの。インターフェイスがよく使いやすいですが、予約クラスごとの空席照会はモバイル版でしかできません。
この時点で、最悪OZ108には間に合うし、まだCクラスは4席の空席があるからおそらく大丈夫だろうという気分でいられました。
そして、この時はたまたまファーストクラスが貸し切りだったこともあり、チーフに事前に振替希望便を伝えておきました。例のごとく複雑なルーティングで乗っているので予め予防線を張っておかないといけません(笑)
今回のルーティングはAMCアワードでFRA/ICN/KIX/HNDとストップオーバー無しで飛ぶもの。アシアナのFに乗ってみたくてソウル経由にしたのですが、仁川から先は東京行きの直行便がアワードで取れなかったためこのようなルーティングになっていました。
KIX/HND区間はANA便ですが、同じ1枚のチケットで切っているし、最終目的地は東京になるので、仁川から成田の直行便へ振替えて欲しい旨をお願いしました。
尚、ちょうどこの時は台風による遅延でビジネスクラスへのupgradeを要求することが流行っていたので私もアップグレードをお願いしようかと思いましたが、もともとFクラスの航空券だったのでupgradeのしようがないことに気づき、諦めました(苦笑)
チーフは地上に連携してくれるとのことで、地上係員が乗り込んできた時も声を掛けられ、ソウルの地上に希望は伝えておくとのお言葉を頂きました。事前に振替交渉ができた事で、この後も「まあなんとかなるだろう」と気楽にフライトできたのもファーストクラスだったからこそだと思います。さすがにCやYだったらここまでの対応はお願いできなかったと思います。
10時間のフライトを終え、シップは無事に仁川国際空港に到着。出口では大勢の地上職員が待機していて、コンペンセーションの配布と乗り継ぎに失敗した顧客のフォローに大忙しでした。
私の情報は地上に伝わっていたようで、こちらへと案内され振替便の案内を受けます。しかし希望していた成田便ではなくは深夜の羽田行きの便に振り替えられていました。これでは羽田到着が23:30とややきついスケジュールです。もっと早く東京に戻りたかったので、その前に出発する成田便に振り替えて欲しかったのです。
- OZが用意した振替便 : OZ178 ICN/HND 21:10 – 23:30
- 振替希望だった便 : OZ108 ICN/NRT 18:30 – 20:50
その場(OZ542便振替の臨時カウンター)には何のシステムもなく交渉してもダメそうだったので、一旦その場を立ち去り、別のカウンターで交渉することにしました。
しかし到着エリアにはアシアナのトランスファーデスクがなかったので、一旦skypeでANAに電話。が、案の定「特典航空券の変更は特典枠に空きがないと…」との杓子上記な対応。ちなみに普通運賃でも空きがないのですかとの質問にも「満席」と言われ、少なくとも私が自分で検索したKVSの空席情報とは違った答えだったので不審に思い、やはりOZのカウンターで直接交渉するしかないとの結論に至ります。
近くの係員にOZのカウンターの場所を聞くとここにはないから制限エリアに入って下さいとの案内を受け、一旦制限エリアに入ることにします。
そして乗り継ぎカウンターへ向かい、成田便への交渉をお願いしました。係員の当初の反応は「あなたのデスティネーションは羽田だから成田行きには変更できない」とのものでした。しかし羽田/成田はIATAにも公認されたマルチエアポートなんだから変更してもらえませんか?とお願いしたところ、意外とすんなり成田便の搭乗券が出てきました。
比較的交渉がスムーズに終わったので、出発まではファーストクラスラウンジによる時間もありました。
この時は預け入れ荷物がある旅だったので、念のため搭乗時にゲートで手荷物のRe-routeが正常にできていることを確認して貰った上で、飛行機に乗り込みました。
ちなみに今回の遅延でアシアナが提供したコンペンセーションは50USDのバウチャーでした。チケットの購入や超過手荷物料金、機内販売に使えるものだったので、乗り継ぎ便の機内販売で仕方なく免税品を購入することに。「シャンパンより化粧品の方がいいですよ」と日本の知人にそそのかされて適当に高そうなSK2の化粧水を購入しました。
ぴったり50ドルで収まらなかった部分はSFCカードでお支払いさせられ、得したのか損したのか分からない気分でした(笑)
今回の対応まとめ
・今回は遅延しても機内に閉じ込められたケースだったので、空港レストランの食事等経済的な損失は発生しなかった。したがって航空便遅延保険の請求はできず。
・一部のJALカードに付帯している航空便遅延お見舞金制度も日本路線でなかったので請求できず。
・事前に振替希望便を自分で調べてソウルの地上に連携して貰ったことがスムーズな振替対応に繋がった。ファーストクラスに乗っていたのも大きなアドバンテージだった。
・一連の旅程を1枚の航空券で発券していたため最終目的地までのRe-route(経路変更)にも柔軟に対応してもらえた。
・乗継ぎが別切り航空券での場合には柔軟な振替対応には応じてもらえない可能性もあるので最悪自己責任となる(ただし他アライアンスに乗り継ぐ別切り航空券でもRe-routeして貰えた事例はない訳ではない)
・振替便はアシアナが普通運賃の予約クラスを手配したので有償ビジネス扱いのマイル積算とティアポイントが獲得できた(笑)
JALカード付帯の航空便遅延お見舞金制度
VISA/MasterのJALゴールドカードおよびJALダイナースカードには実際の出費有無に関わらず4時間以上の遅延に対して一律2万円のお見舞金が支払われる保険が付いています。ただしこれは日本路線限定なので残念ながら今回のケースでは適用できませんでした。以前申請した時の体験談はこちらをご覧ください。