モザンビーク発券のRTWでJALのファーストクラスに搭乗した時のお話です。JALのFクラスは、この航空券のメインディッシュと呼ぶに相応しい一大イベントです。普段はアワードで肩身の狭い思いをしながら乗っていますが、果たして有償だと待遇は違ったのでしょうか?(笑)
JALファーストクラス・チェックイン
夕暮れのシャルル・ド・ゴール国際空港にやってきました。JALのフライトが出発するのは現地時間の夜。最終日までじっくりパリの待ちを楽しめるのが魅力的な時間帯です。やってきたのはターミナル2E、エールフランスの長距離国際線が発着する一番賑やかなターミナルです。
こちらの一角にあるJALチェックインカウンターへ向いました。地上はエールフランスに委託していましたが、爆安の有償AONE5運賃でも特に搭乗拒否されることもなく一安心でした。
この後は軽くエールフランスのラウンジに寄ってから、少し早めに搭乗ゲートへ向いました。ラウンジの記事はこちらです。
JALファーストクラス・最優先で搭乗
ゲートに向かうとそこにはJALのフラッグシップであるB777-300ERが駐機していました。隣のゲートには成田行きのB787の姿も見えますが、あちらはファーストクラスの設定がないので今回のAONE5の航空券ではこちらの46便一択でした。
この日は搭乗が15分程遅れるということでゲート付近はかなり混み合っていました。JALの優先搭乗は「Fクラス&OWエメ」のレーンと、「Cクラス&OWサファイア」レーンの2つがありますがCDGの運用は大変優秀で、同じFのレーン内部でも「F客→その他」の順で交通整理していました。そのためF客だけは本当の本当に最優先で搭乗となりました。
搭乗開始とともにお手伝いが必要なお客様の案内が始まり、それに続くかたちでF客の最優先搭乗が始まりましたので、ありがたく機内へと進みました。
この日はPBBがL2に接続していたので、Fクラスのキャビンが通路として使われることはありませんでした。Fクラスのキャビンを通路にする運用は本当にやめて欲しいです。
JALファーストクラス・シート
搭乗口でボーディングパスを見せると左手のファーストクラスのキャビンに案内されました。選んだのは後方の2A。この位置は自分がファーストに乗る時の定位置になりつつあります。
高級感と落ち着きある茶色の革張りシートはJAL最高峰に相応しいインテリアだと思います。
シート周りのコントローラーなども随分現代的になっていることを感じます。
そしてフルフラット状態のシート。ビジネスクラスと比べた時の圧倒的な広さ。寝返りも自由に打てますし、エアウィーヴのマットレスを敷けば地上と遜色ない快適なベッドになります。
着席した時の様子です。やはり落ち着いたインテリアが素晴らしく、JAL最高峰だなあという気分に浸たれます。
2列目に座ると後方からキャビン全体を観察できるのでいい気分です(笑)
ヘッドフォンはBOSE製のノイズキャンセルホン。長時間着用しても耳が痛くなりません。
そしてアメニティはロエベのポーチ。最近ではポルシェに変わったようなので、ある意味変更直前の貴重な品だったのかなあと。これとは別にいつもの資生堂の化粧品セットが配られましたが写真を撮り忘れたようです。
そして最高に嬉しかったのが、wifiの無料クーポンが配布されたことでした。これまで日系のwifiは基本有料でしたが、JALではファーストクラスの乗客に限って無料でサービスを開放するようにしたようです。馬鹿高い運賃に釣り合うサービスとして当然だよね、というのが庶民の私の感覚ですが、マジF客だったら25ドル位のwifi料金なんて何の惜しみもなく払っちゃうと思いますw
しかもJALのwifiは重量制限もなく、WEBサイトの閲覧を含めて普通にまともな速度で快適に使えるレベルです。よくあるメールやLINE程度の重量にしか耐えられないレベルの機内wifiとは一線を画すものですので、より一層ありがたかったです。
JALファーストクラス・ウェルカムドリンク
暫くするとウェルカムドリンクがサーブされました。地上駐機中はお目当てのサロンは開栓されませんので、写真に写っているシャンパンはビジネスクラス用のものになります。
今日はサロンを飲むことに全勢力を注いでいるので、ここは無理をせずオレンジジュースを頂くことにしました。
そうこうしているうちにすっかり辺りも暗くなり、隣のスポットに駐機する成田行きの便を横目に見ながらJL46便はプッシュバックを開始します。普通であればパリを離れる名残惜しさが込み上げてくるシーンでしょうが、この日はJALファーストクラス搭乗ということもあって逆に気分は高揚してきたのでした。
地上滑走中に改めて客室乗務員の方より歓迎の挨拶を受けました。驚いたことにこの日はチーフが2名の乗務員を連れて3人体制で大々的にF客全員に元気よく挨拶に回っていました。チーフはJALにしては珍しくぶっ飛んだ感じの方でこの日のサービスレベルも期待できるようなお人柄の方でした。
JALファーストクラス・機内食 ~スカイオーベルジュ~
上空にあがると早速機内食のサービス時間となります。地上駐機中からサロンが楽しみということをチーフにお話していたので、オーダーするまでもなく阿吽の呼吸でサロンが出てきました。この辺りの快適さがファーストクラスならではです。
幻のシャンパンと呼ばれるサロン。機内で最高の状態で提供するには厳しい温度管理や品質管理が要求されますが、その厳しい基準を満たしたJALだけにサロン社が特別に提供していると言われています。それだけにお値段もKRUGやドンペリの比ではなく、エアラインがファーストクラスで提供しているものとしては間違いなく最高峰のシャンパンです。その驚きの値段はこちら。
サロンは往復で3本しか搭載されていませんので、大抵は往路で2本が消費され帰国便は1本しか残っていません。そのためJALのCAさんはサロンを出し惜しみする人が結構多いので、容量が少なく感じたら波なみと注いでもらえるようにお願いしましょうねw
この日もやはりサロンは1本しか残っていないようでしたので、何杯飲めるか心配しておりましたが、なんとド満の機内でサロンを飲んでいるのは私だけなのでした\(^o^)/
チーフからも「こんなフライトは奇跡ですよ、サロンを独り占めして存分に楽しんで下さいね!」と言われる始末でした。チーフはシニアソムリエの実力者でしたので色々とワインのことを教えてもらいたかったですが、思わぬ幸運によりこの日はサロン一筋で行くことが決定いたしました(笑)
やがてテーブルがセッティングされ、アミューズの小皿がやってきました。引き続きサロンを楽しみながら食事を始めます。
バターはフランス産のエシレ。日本で買ったら高級品です(が、フランスで積み込んだら大したことない)
ブレッドはパリ積み込みということもあって焼きたてで最高の仕上がりのものが提供されていました。
さて、それでは前菜に移りましょう。パリ発の機内食は本場フレンチのミシュランシェフが担当しているのですが、この時のレストラン「Sola(ソラ)」の吉武シェフが担当でした。開店からわずか1年半でミシュランガイドの一つ星を獲得したお店だそうです。
まずはド定番のキャビアからです。日系らしく控えめな盛り具合です。
そしてここで嬉しい誤算が!サラダを頼んだはずなのにギャレー担当が勘違いしてしまったらしく「サーモンの香草マリネカレー風味のヴィネグレット」が出てきました。でも折角ですのでこれも頂くことにしました。
そして本来注文していた「20種類の季節野菜とパルマ産ハムのサラダ」がやってきました。結局ファーストクラスの前菜3種類を全部制覇してしまったことになります(笑)ファーストに乗り慣れた知人曰く、下手なメインを注文するより前菜を全種類貰ってひたすら飲んでいるのが一番満足行く乗り方なのだそうです。それだけ前菜が美味しいということのようです。
しかし折角ですので今回はメインディッシュは3種類の中から「尾崎牛のステーキ キャベツとジャガイモのミルフィーユ」を選択しました。お肉は柔らかくて口に入れるととろけるような美味しさでした。
折角お肉料理もあるのだから赤ワインでも飲めば良かったのですが、期待していたワインが北米路線限定のワインだったことにショックを受けたこともあり、初志貫徹で最後までサロンを貫き通したのでした。
ちなみに期待していたワインというのがティアノ・ナレノ2013というアルゼンチン産の希少ワイン。当時これがプレスリリースで発表されたときはマイラーたちが沸き上がったのを覚えています。ファーストクラスということを考慮してもこの値段は凄すぎる、JALさん太っ腹だなあと思わずにはいられないワインでした。でもそこはしっかり者のJALさん、ちゃんとこのワインは「北米線限定」と見えないような小さな字で注意書きされていたのでした(笑)
最後にデザートのジャン=ポール・エヴァンJALヴェリーヌ”ピスターシュ”というものを頂きました。もはや庶民の私には殆どの単語が意味不明なデザートです(笑)
ピスタチオとマダガスカル産の最高級カカオを使った上品なデザートでした。コーヒーはJAL CAFE LINESからエルサルバドル産のものを頂きました。
一通りの食事を終えた後は映画デスノートを見ているとうとうとしてしまいましたので、ベッドメイクをお願いしました。その間にトイレを兼ねて機内散策に出かけました。SS7と呼ばれるビジネスクラスを軽く見学させて頂きましたが、こちらもモニターが大きくて良いシートに見えますね!
席に戻るとベッドメイクが完了していました。エアウィーヴのマットレスが敷かれ、快適なベッドの出来上がりです。あまりにも気持ちがよかったので、フライトのほとんどを寝て過ごすことになりました。
気づくと夜が明けていました。シップは相変わらずシベリアの広大な大地の上を飛び続けていますが、やがて大陸の東の果てが近づいてきます。
まもなく日本海に出ようとするところで最後の食事を頂くことにします。
JAL機内食・アラカルトメニュー
1度目の食事で満腹になっていますので、長時間フライトと言えども最近はあれもこれもと食べ尽くすことができません。なのでアラカルトメニューからいくつかのメニューをピックアップして軽く済ませることにしました。
まずは朝シャンから始めます。もちろんサロンです。「起きたらまたお飲みになると思って、フライト中ずっと冷やしておきました」というチーフのありがたいお言葉とともにまたサロンを楽しみました。結局本当に自分一人でサロンを1本開けてしまったことになります。とても幸せなフライトでした♪
サロンには全く合いませんが、「九州じゃんがら」ヘルシーラーメンです。しかし正直これはいまいちパンチが効いていなくて、ANAの一風堂に軍配があがるように思いました。
続いてはフランス丼をご飯極小盛りでリクエストしました。イクラと鮭ネギトロが乗った丼でした。
そして最後の〆には季節のフルーツとアイスクリームの盛り合わせです。マリアージュのマルコポーロの豊かな香りとともに楽しみました。
こうしてパリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から12時間に渡るフライトはあっという間に過ぎ去り、シップは羽田空港への着陸態勢に入りました。東京湾からDランに着陸でしたので、南側からアプローチするよりも効率的なアプローチルートでした。
RTWポジショングのために毎日毎日飛行機に乗り続け、1周間で3万マイルも飛んだ旅でしたが、無事日本に戻って来れました。
RTWは東京で一旦息継ぎをしますが、この後は期間限定でバンコク線に導入されたファーストクラスのフライトへと続くはずです。
Bottom Line
個人的にJALのファーストクラスでやってみたいことは、ドリンクサービスの時に「いつもの」と言ったらサロンが出てくるようになることです♪
チーフにそういったことが出来るのか聞いてみましたが、残念ながらそのような記録を残す場所がないので実現は難しいのだとか。次回のバンコク線では乗り慣れた風の有償客を気取って見たかったですが、はかなくも夢は砕け散ったのでした(笑)
でもいつかはそんなサービスが受けられるようにこれからもJALに乗り続けていこうと誓ったフライトだったのでした。