日本ではあまり馴染みのないプログラムですが、最近では徐々に活用している人も増えてきたBA Executive Clubの魅力について書きたいと思います。
特典航空券は飛行マイル数に応じた距離制
ExecutiveClubでは、BAはもちろんのこと、JALやCXなどワンワールド加盟航空会社の特典も発券することができます。必要マイル数は飛行距離に応じて計算されます。アワードチャートは下記のようになっています。ただし1区間ごとに必要マイル数を計算するので、乗継をする場合はそれぞれの区間に対してマイルが徴収されますのでご注意下さい。
まずは下記の表を用いて区間距離からZONEを調べます。例えばロンドン=ミラノは区間マイルが591マイルですので、ZONE1と分かります。
次に下記のアワードチャートでZONE3のところをチェックしましょう。すると必要Avios数は次のようになります。Y:4,500、C:9,000(いずれも片道の必要マイル数になります)
このアワードチャートを眺めると、短い距離ほどお得であり、飛行距離が増える程マイル数が大幅に増えていくため、一般的には短距離線での特典利用がお得と言われています。特に4,500Aviosというのは他のプログラムと比べても破格のお得感があります。
短距離路線お得なマイルの使い方
いくつかのモデルケースを作ってみました。基本的には最安の4,500Aviosで利用できるルートをピックアップしています。
欧州域内
日系の特典やソウル発券の有償航空券等で欧州入りした場合、ロンドン、パリ、フランクフルト、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ヘルシンキなどのゲートウェイシティーからのフライトに使用できます。ヨーロッパの端にある都市(アテネ、イスタンブール、ドブロブニク、バルセロナ、リスボン、ローマなど)を除いて、ほぼすべての都市が650マイル以内でカバーできます。欧州内のフライトは往復販売されることが多く、片道だけ利用できる特典航空券は使い勝手がいいと思います。
○ロンドンから(ANA・JAL・BAからBAに乗継)
マンチェスター、エディンバラ、ダブリン、パリ、ニース、ブリュッセル、アムステルダム、フランクフルト、ミュンヘン、ベルリン、チューリッヒ、プラハ、ミラノ、コペンハーゲンなど
○パリから(ANA・JALからIB,AB乗継)
ロンドン、バルセロナ、
○フランクフルトから(ANA・JALからBA,ABに乗継)
ロンドン、ベルリン
○デュッセルドルフから(ANAからABに乗継)
ウィーン、ベネチア、フィレンツェ
○ヘルシンキから(JALからAYに乗継)
オスロ、ストックホルム、コペンハーゲン、サンクトペテルブルグ、モスクワ、ワルシャワ
BAのお膝元であるヒースローからの路線が圧倒的に豊富ですが、ANAが就航しているデュッセルドルフもOnewordlメンバーのエアーベルリン (AB)がハブ空港としているため、乗継は不便ではありません。ただアライアンスが違いますので、その点は割り切りが必要かと思います。
番外編ではありますが、イベリア航空のハブ空港であるマドリードやバルセロナからは、イベリア航空の国内線ほぼすべてを4,500Aviosで利用できます。近隣諸国へのアクセスに関しても、ジブラルタル海峡を超えてモロッコのカサブランカまで4,500Aviosで行けるのはちょっと驚きですかね。
○マドリードから
バルセロナ、リスボン、ポルト、カサブランカ
北米エリア
北米も直前になるとチケットが高くなる傾向にあるので、BAのAviosは重宝します。観光で複数都市を周遊する場合はもちろん、”行きはJFK便が取れたけど帰りはIADしか取れなかった”、とかいう場合の移動にも利用できますね。
一例として、ロサンゼルスから近いラスベガスや、マイアミからキーウェストやカンクンと言った路線もあります。今後、キューバへの制裁が解除されれば、マイアミからハバナへアメリカン航空が就航することでしょう。これも楽しみです。
※ただし北米エリアに限った話ですが、必要マイル数は2016/2/2より改悪が予定されています。(Y:4,500⇒7,500、C:9,000⇒15,000)北米エリアでの利用予定がある方はお早めの発券を!
アジア域内
香港周辺
香港からですと、台北や高雄はもちろんのこと、ベトナムのハノイやダナンも圏内になります!ハロン湾、フエやホイアンへ行くことも出来ますね。残念ながらホーチミンやバンコク、マニラ、セブ島は651マイル以上のため圏外となります。
クアラルンプール周辺
香港からでは届かなかったベトナム南部のホーチミンやカンボジアのプノンペンもギリギリクアラルンプールから手が届く圏内になりました。バンコク=ハノイや、ホーチミン=プノンペンを結ぶカタール航空の以遠権路線が利用できるのもポイントです。JALの深夜便でバンコクやホーチミンに到着してハノイやカンボジアに行く場合には使えるかもしれません。残念ながらシェムリアップ、ジャカルタ、デンパサール、コタキナバルなどは651マイル以上のため、圏外となっています。
JAL国内線および日本周辺(釜山)
羽田からですと、沖縄と奄美大島を除くほぼすべての都市が4,500Aviosで発券できます。出発直前にどうしても飛ばなければならなくなった時、直前運賃は高額ですがアワードの空きさえあれば4,500Aviosで飛ぶことができるメリットは非常に大きいかと思います。ウルトラ先得のように何十日も前から予約していなくてもお得に飛ぶことができるのも嬉しいです。尚、伊丹からですと沖縄、千歳いずれも圏外です。
国際線ではJALの成田=釜山も4,500Aviosです。残念ながら東京=ソウルは圏外です。それと、以前は大阪=ソウルも4,500Aviosだったのですが、JALが路線撤退してしまったので利用できなくなりました。
Avios & money のオプションで更にお得に!
BAでは必要マイル数のうち一部をキャッシュで支払うことができます。例えばCXの東京=香港便のビジネスクラスは片道2万Aviosですが、下記のように1.1万Avios+1万円という選択をすることができます。この場合、1Aviosをおよそ1.1円で購入したことになります。
ただしAvios単価は一定ではないようです。例えば羽田=香港をファーストクラスで利用する際は片道4万Aviosですが、下記のように16,000Avios+40,260円を選ぶと、差額の24,000Aviosを38,000円で購入したことになります。この場合のAvios単価は1.58円となります。
Bottom Line
このようにExecutive Clubは短距離のアワードに対してお得感が高いプログラムです。日本ベースですと国内線のラストミニット発券や、CXで香港に行く際に重宝しそうです。アメックスのスカイトラベラーカードからのポイント移行で簡単にAviosを貯めることが出来ますし、持っていても損はないプログラムだと思います。
個人的には、ワンワールドはUS AirwaysとJMBを主に利用していましたが、両社とも合併や改悪により使いにくいプログラムとなってしまいました。CXで頻繁に香港に通いたい私にはBAがあっているように思い、今後はBAも積極的に使っていく予定です。