2月16日~2月18日に行なわれた日米航空交渉により、2016年冬期スケジュール(2016年10月末)からの米国路線は、昼間時間帯(6時~23時)の10便と、夜間時間帯(23時~6時)の2便の、1日計12便で合意しました。この発着枠は日米双方6枠ずつの配分となります。
デルタ航空は羽田の部分的な開放に失望との声明を発表
米国線発着枠の決定が遅れたのは、デルタ航空が強く反対していたからと言われています。アメリカンやユナイテッドと比べて日本に提携航空会社を持たないデルタ航空は、フライトが羽田空港へ移管すると成田のハブ機能および自社のアジア路線を維持するのが難しくなるとしています。
個人的にはデルタに乗ることはありませんが、デルタの撤退により他社の運賃が値上がりし、利用者の不利益になることは望ましくないと思っているので、デルタには日本路線に留まって欲しいと思います。
ANA vs JAL 発着枠配分が焦点に
今回の合意で日本側には6枠の米国線発着枠が与えられます。これを日系2社で配分することになりますが、前回2013年の欧州・アジア発着枠配分の際は、ANAが11便、JALが5便の配分でした。今回も発着枠の傾斜配分があるのかが注目されます。国土交通省の石井啓一大臣は、「8.10ペーパーの趣旨を踏まえて対応したい」とコメントしています。「8.10ペーパー」とは、経営再建中のJALが市場競争を歪めないようにJALの事業展開に一定の制限を課す内容になっています。
仮にANAに4枠が配分されれば、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルス、ホノルルなどが就航先の候補でしょうか。今はアライアンス時代なので、提携航空会社のハブまで辿り着けば世界中どこへでも羽田から行ける時代です。今回の米国線発着枠拡大で米国の殆どの都市は羽田からアクセスできるようになるでしょう。