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〜年3回ファーストクラスで海外旅行するためのマイル活用術〜

ビジネスクラス ファーストクラス

特典航空券でダウングレードが発生した時の対応まとめ

投稿日:2017年2月13日 更新日:

頑張って貯めたマイルの最高の使い方はファーストクラスの特典航空券と信じている私。日常では考えられない夢のような世界が広がっているのがファーストクラスです。しかし、その夢を一瞬にして吹き飛ばすものがあります。それは「ダウングレード」です。

このダウングレード、アジア系の航空会社を中心に結構な頻度で遭遇します。もしもダウングレードに遭遇した時に取るべき対応を私が実際に経験した6つの実例を交えながらご紹介したいと思います。

事例1

・発券キャリア:US Airways
・運行キャリア:アシアナ航空

この時はアシアナ航空のフランクフルト線がB747からB777に機材変更となったためファーストクラスの設定がなくなりました。発券元のUSエアに相談すると「アシアナが対応する」と。一方のアシアナは「USエアが対応する」の一点張り。お互いに責任のなすりつけあいで全く話になりませんでした。そんな埒が明かない状態でしたが、何度も電話して交渉しているうちにUSエアの特典として予約できるスイス航空の特典枠に空席が出てきたため無料でルートチェンジをしてもらい、事なきを得る結果となりました。

この事例は他社の特典枠にたまたま空席があって運良く振替できたパターンです。

 

事例2

・発券キャリア:US Airways(対応は合併後のアメリカン航空)
・運行キャリア:キャセイパシフィック航空

2例目は同一航空会社の別路線の特典枠にたまたま空席があって運良く振替できたパターンです。

この時はUS Airwaysから発券した大阪→香港のCXのフライトが機材変更によりファーストからビジネスにダウングレードしました。ダウングレードが発覚した時、発券元のUSエアは合併してアメリカン航空に変わっていましたので、AAdvantageのデスクに相談したところ、羽田→香港のファーストクラスの特典枠に空席があったため手数料無料でルートチェンジしてもらうことで無事解決しました。

 

事例3

・発券キャリア:JAL
・運行キャリア:JAL

これは有償のRTW航空券なのですが、ジャカルタ便の機材変更によりファーストクラスがなくなったのは記憶に新しいところ。被害を受けたマイラーも相当数いると聞いています。私の場合、有償のチケットでしたが、JALから提案されたのは往復2.5万円の払い戻しでビジネスにダウングレードするというものでした。

ファーストとビジネスの差額がたったの2.5万円というのはあまりにも納得がいかず(CからFにあげるのに2.5万円で上げてくれるの!?)、たまたま期間限定でファーストクラスの設定があるバンコク便にルート変更をしてもらいました。もちろんルート変更にかかる手数料等は全額免除してもらいました。これもルート変更で解決した事例でした。

 

 

ここまでの事例1〜3においてはまあまあ納得出来る代替案がスムーズに確保できた場合の話でした。事例4以降はやや状況がハードになります。

事例4

・発券キャリア:JAL
・運行キャリア:アメリカン航空

これはアメリカン航空が羽田=JFK線の運休を決めた時でした。これまでの事例と違って路線そのものがなくなってしまうというものでした。この時に発券元のJALがしてきた提案は、ニューヨークから帰ってくる特典枠に空席がないので代替便を用意できないという驚きの内容でした。そこで、「代替便を用意するようにアメリカン航空と交渉して欲しい」とJALに申し出をしましたが「できない」の一点張りでした。

そのため、自分でダラスのAA日本語デスクに相談したところ、「今回は当社都合によるスケジュール変更なので、お客様のご希望の便を可能な限りご用意します」というとても頼もしいものでした!その結果ラガーディア=シカゴ=成田便へ振替をしてくれました。ちなみにこの振替先の便の特典枠はもともと空いていませんでしたが、座席コントロール部署と連携のうえ特典席として振替便を用意してくれました。まさに神対応というべきでしょう。

 

事例5

・発券キャリア:ANA
・運行キャリア:タイ国際航空

これも元々は特典枠に空きがなくても調整のうえ振り替えを行ってくれたケースです。

まだ先の話ですが、今予約しているTGの羽田便に機材変更が発生し、ファーストからビジネスにダウングレードが発生しました。ANAの提案はビジネスクラスへのダウングレードを飲むか、希望の時間帯ではないものの別の便のファーストなら特典枠に空きがあるので、そちらへの変更であれば可能というものでした。

この時はたまたま関空→バンコク便の特典枠に空きがあったのでルート変更をお願いしましたが、ANAは規約上ルート変更は不可能とのことで認めてくれませんでした。

最後の手段として、特典枠に空きがない便ではあるものの私の希望する時間の成田→バンコク便のファーストクラスへ振替てもらうようにTGに交渉して欲しい旨、ANAにお願いしました。ANAは最初は難色を示したものの上席と相談した結果、TGへの交渉を受けてくれました。

結果、TG側が座席調整をかけてくれ希望便のファーストクラスへの振り替えが成功しました。

 

事例6

発券キャリア:US Airways(対応は合併後のアメリカン航空)
運行キャリア:キャセイパシフィック航空

さて最後に事例6は最悪のケースですが、泣く泣くダウングレードを飲んだ事例です。

これもCXの事例です。香港=大阪便のファーストクラスがなくなりビジネスとなりました。CXは機材変更が頻発しますので、羽田便以外はいつ機材変更でFクラスが消えてもおかしくないと覚悟しておく必要があります(笑)

この時は最悪のパターンで、他の便や他の路線もことごとくファーストクラスの特典枠が空いておらず、発券元キャリアの力ではどうにもできない状況でした。

そこで運行キャリアであるCXに羽田便に振替てもらうリクエストを流して欲しいと、アメリカン航空に依頼しました。しかし、私のチケットは旧US AirwaysのDividend Milesによる発券のため、「アメリカン航空では対応できない」との回答でした。ちなみに仮にAAdvantage発券のチケットであればCXと交渉してもらえるとのことでした。

仕方なく自分でCXと交渉しましたが、CX側はAA発券のチケットのためCXでは勝手に予約を触れないという理由でルート変更を受け付けてくれませんでした。

結局、なすすべもなくおとなしくダウングレードを飲むしかありませんでした。香港の空港でチェックインの時に出てきたのは75ドルの機内販売で使えるバウチャーだけでした。逆にCからFにアップする時に75ドルでアップしてくれるの?って言ってやりたかったですが、この時のCXの対応は本当に塩対応でした。

ただし、事前に交渉しておいたのでファーストクラスのラウンジには入れてもらえました。

 

事例7

発券キャリア:ANA
運行キャリア:ANA

これもダウングレードを飲んだ事例です。

この時は台北=羽田便でしたが突然のダウングレードでした。使用予定の機材が国内線機材に変更になったためビジネスクラスの設定がなくなり、ダウングレードになるというものでした。事前連絡は全く無く当日チェックイン時にダウングレードを知ったのでした。

羽田行きの最終便だったため他社便振替などの選択肢もなく、とにかくダウングレードを受け入れて搭乗するよりほかありませんでした。ダウングレード補償として4,000台湾ドルがその場で手渡されました。また、国内線機材に変更になりエンターテイメントシステムが使えなかったことから後日お詫びマイルとして1,500マイルが付与されました。

ビジネスとエコノミーの運賃精算は後日行うとの事だったので帰国後に予約センターおよびご意見ご要望デスクに問合せてみました。私は運悪く旅程の一部をビジネスクラスで搭乗済みだった(香港→台北→羽田という旅程で、香港→台北間をビジネスクラスで搭乗済みだった)ため特典航空券のルールに基いて「差額精算は発生しない」との回答でした。イレギュラーに対しても杓子定規に規定を適用する姿勢には疑問を感じずにはいられない体験でした。

 

これまで見てきたように、私の場合には5勝2敗といった勝率です。ダウングレードの時の交渉は本当にハードです。

エアラインとしては運送契約上はA地点からB地点まで乗客を輸送すれば契約を果たしたことになるのでダウングレードに対する扱いは非常に厳しいものがあるのが実情なのだと思います。しかし乗客の立場からすればたとえ特典航空券であったとしても、頑張って貯めたマイルで発券したファーストクラスのチケット、出来る限り希望する席を確保したいものです。

以下はダウングレードの被害にあった時に乗客として対応ですべき手順を私なりにまとめてみました。

 

①発券元キャリアに相談しよう

まず最初に取るべき対応は、発券元のキャリアへの相談です。ANAのマイルで発券した航空券ならANAに、JALのマイルで発券した場合はJALにという具合です。

ここで前後の便や経由地を変えた他社便などの空席を探してもらいましょう。この段階では原則として特典枠に空席があれば変更を受け付けてもらえます。AAのように発券後も出発地と目的地が変わらなければ自由に経路変更が可能な航空会社もあれば、ANAのように発券してしまうと経路変更が一切できない航空会社もあります。しかしその場合でもスケチェン事由によるものであるため、極力柔軟なルート変更を認めて欲しい旨、交渉しましょう。

ここで仮に特典枠に空席がなく、納得の行く旅程に変更ができない場合には、発券元キャリアを通じて運行キャリアに振替の交渉を行うのが通例です。この作業は一般的には電話口のエージェントでは受けてもらえないことが多いですが、断られても上席に確認して貰うように粘り強く交渉しましょう。私は専門的なことは分からないので断言はできませんが、発券元にはその対応を行う責任があるものと考えます。

 

②運行キャリアに相談しよう

一般的には発券元を通じて運行キャリアに交渉するのが一番効力があるのですが、発券元がどうしてもその対応を行ってくれないケースも考えられます。上記の例で言うと事例4がこれにあたります。この場合は自分からアメリカンに相談したことで解決につながりました。元を正せば機材変更は運行キャリアの都合によるものなので、運行キャリアはきちんとした対応を取る責任があるはずです。仮に特典枠に空きがなかったとしても極端な要望でない限り振替を行う責任があるはずですので、諦めずに交渉することが大切です。

 

③HUACAが交渉の基本、安易に諦めないこと!

上記①②はブログに書くとあっさりとした文章ですが、実際の交渉はもっともっとハードです。お詫びの気持ちもなく全く何も対応しようとしないエージェントに当たることもあります。しかしそこで諦めてはいけません!そんな時はHang Up and Call Again(電話を切って再度電話しよう)です。

実際の交渉を経験された方ならお分かりかと思いますが、実はエージェントによって対応が全くと言っていいほど変わってくることがあります。最初の人に断られたけど、2人目の人はあっさり対応してくれたとか、9人に断れれて10人目でたまたま神対応してくれる人が出たとか、実に様々です。同じ会社でもイレギュラーへの対応は担当者次第という部分もありますので、一度ダメでも別の人に再度相談することが基本中の基本です。

 

④日程を変更しよう

さて、何度交渉しても思うように行かなかったとき、まだまだ諦めては行けません。日程を変更することで特典枠に空きが見つかるかもしれません。さすがにスケチェン理由の日程変更であれば、手数料免除で変更ができるはずです。最悪の場合、航空券の有効期限を延長してもらって日程をズラすことも交渉の余地があるかもしれません。

 

⑤ダウングレードを了承しないで空港に向かおう

これは私自身、実践したことはありませんが「ダウングレードを了承しない」というのも選択肢の1つです。多くの場合にはダウングレードは事前に判明しており、発券元の予約センターからダウングレードの連絡が来ます。そして何らかの旅程変更を行いEチケットの書き換えを済ませて空港に向かいます。つまり事前に予約センターが問題を解決済みというステータスで空港に向かうことになります。

しかし経験上、予約センターの対応は何とか乗客を説き伏せて問題を解決したいという姿勢なので、杓子上記な塩対応であることが多いです。一方で空港で行われる対応はもっと柔軟であることが多いです。

例えば、予約センターが事前に提示してくるダウングレード補償金より、空港提案の補償金のほうが額が多かったり、予約センターだと他社便振替不可と杓子上記にルール適用しがちですが、空港であればアライアンスの違う他社への振替が行われることもあります。

ただし、ダウングレードを了承しないで空港に向かった場合、最悪その旅行に出発できない、あるいは帰国できないというリスクもありますので、そのリスクを許容できる場合のみにするのが懸命です。

 

⑥払戻しは最後の選択肢

どうやっても解決に至らない場合、残念ですが航空券を払い戻すことになります。当然ながら払戻し手数料は全額免除して貰えるはずです。また日系のようにマイルに有効期限が設定されている場合、その扱いがどうなるかも確認しましょう。

 

Bottom Line

ファーストで売っておいて後から「ファーストがなくなったからビジネスで我慢してね」という姿勢は航空会社の一方的な都合によるものですから、適切な補償なくして安易にダウングレードを受け入れる必要は全くありません。これは例え特典航空券であったとしても同様です。

運行キャリアは可能な限り乗客の要望に沿うような振替を行う義務がありますし、発券元も運行キャリアと交渉する義務があります。

ただし、当然の権利を主張するものであったとしても決して感情的に交渉してはいけません。「せっかく楽しみにしていたファーストクラスに乗れなくなって困っているんです!何とか助けてください!」といった姿勢で交渉すると上手くいくことが多いかと思います。

そして最後に逆説的ではありますが、時として交渉に負けるのもやむを得ないかと思います。クレーマー扱いされて今後搭乗拒否をされたら元も子もありませんからね。100%こちらの要求を飲んでもらうは難しいケースもありますので、お互いが納得できる妥協点を上手く探しましょう。

この記事が少しでも参考になれば幸いです。

-ビジネスクラス, ファーストクラス

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