今日はＪＡＬゴールドカードに付帯している航空便遅延特約の魅力を、実際の体験談を交えてご紹介したいと思います。
台風シーズンのある日、私はANAのシンガポール便を予約していました。この日は関東に台風が直撃する予報でしたが、ANAサイトの運行状況は「オンタイム」の表示…。本当に飛行機が飛ぶのか疑いながらも、大雨・強風の中渋々成田空港に向いました。
チェックインカウンターで今一度運行予定を確認。すると「今のところ定刻の出発を予定しております」との回答。この時はまあ飛ぶんだろうな程度のことしか考えておらず、まさか大幅に遅延が起こるとは夢にも思いませんでした。
出国後、外を見るといかにも大荒れのお天気。しかしこの状況でも出発していく飛行機も見られ、まあ何とかなるのかなとどこまでも楽観的な思考でした。
SUITEラウンジで出発までの時間を過ごしていましたが、ラウンジ内でよくよく調べてみると、この日はニューヨーク、シカゴ、ヒューストンなどからの便が成田に降りられず、地方空港にダイバートしたようでした。
夕方の出発時間になって空模様はすっかり回復した状態になりましたが、案の定3時間15分の遅延アナウンスがありました。機材が地方空港にダイバートした関係で、折り返し便となるロス、シスコ、シンガポール便は軒並み遅延となったようです。しかしロス、シスコ便は優先的に機材が充てがわれ比較的軽微な遅延で出発していきました。
取り残されたシンガポール便は定刻でも現地到着は深夜のスケジュール、それが3時間も遅延したら到着するのは深夜3時に。翌早朝には乗継を控えていたためできるだけ早くトランジットホテルに入りたかったので、ラウンジ内のコンシェルジュに定刻通り飛ぶSQ11便への振替もお願いしてみましたが特典ということで申し出は却下されました…
結局ラウンジ内で3時間を潰しまして、ゲートへと向いました。この段階で出発は3時間15分遅れの21:20と表示されています。
この日はファーストクラスに搭乗。CAさんからは遅延に対して丁重なお詫びの言葉がありました。さてこれで出発と安心できるかと思いきや、成田に降りられなかった便/飛べなかった便の離発着が相次ぎ滑走路は大混雑。管制官から出発許可が降りずしばしゲート待機となりました。この頃になると3時間15分遅れのはずの出発は遅れに遅れ、4時間近い遅れになっていきます。もうこの際4時間遅れてくれればJALカードの保険が貰えるからということで、不謹慎ながら「まだ出発するな～」と念じておりました。
結局プッシュバックが始まったのはスケジュールタイムから遅れることぴったり4時間。後述いたしますがこの4時間という時間は保険金が貰えるか貰えないかの「生命線」となる極めて重要な時間になります。
JALゴールドカードの補償内容について
さて帰国後、私が利用したのはＪＡＬゴールドカードの海外航空便遅延お見舞金制度でした。私の周りのベテランマイラーさんでもこの制度を知っている方はごくごく少数です。一体どのような補償が受けられるのでしょうか？
海外航空便遅延お見舞金制度（2014年4月1日現在）
海外旅行期間中*1の国際線航空便（日本発着のみ対象、乗り継ぎ便は対象外）の出発遅延*2、欠航*3、海外でのパスポート紛失に対し、お見舞金を支払う制度で、JALカード入会日（入会審査終了日）の翌日以降に日本をご出発になる海外旅行から適用になります。
お見舞金の支払いには、航空会社発行の証明書（遅延、欠航）・航空券のお客さま控え（写し可）・搭乗券の半券（写し可）、海外領事館発行証明書（パスポート紛失時）などが必要です。
帰国日からその日を含めて30日以内に以下の「お問い合わせ先」へご通知ください。ただし事由が発生した日から1年を超えないものとします。
期限内ご通知のない場合にはお支払いの対象となりませんのでご注意ください。
- *1 海外旅行期間中とは、会員が航空機での海外旅行を目的に日本国内の住居を出て渡航してから帰着するまでのことをいいます。
- *2 出発予定時刻から4時間以上の遅れが生じた場合
- *3 出発予定時刻から4時間以内に代替便を利用できなかった場合
ご注意
- ※海外旅行へ出発する前に判明した、出発遅延、欠航についてはお見舞金の支払いは行われません。
- ※出発遅延、欠航により旅行を取りやめた場合にはお見舞金の支払いは行われません（お支払い対象は搭乗予定日から30日以内に同一目的地へ航空機を利用して再渡航した場合に限ります）。
- ※到着遅延、経由地での出発遅延（同一便名の航空便利用時を除く）、到着地変更については当見舞金支払いの対象となりません。
- ※日本を出国した日から90日以内に発生した事由に限ります。
- ※お見舞金のお支払いは、1旅行期間中1回、年間1回（毎年8月1日から1年間）を限度とします。また、地震または噴火またはこれらによる津波により生じた事由、戦争、そのほかの変乱により生じた事由など、お見舞金のお支払いができない場合があります。
- ※パスポートの盗難については当見舞金支払いの対象となりません。
- ※JAL アメリカン・エキスプレス®・カード 普通カードは対象となりません。
補償の対象になるかどうかのポイント
（１）日本発着の国際線の遅延等であること
例）成田⇒ダラス⇒マイアミの場合、成田⇒ダラスの遅延のみが保険金支払いの対象であり、ダラス⇒マイアミ区間の遅延は対象外。帰国便も同様。国内線も対象外。
（２）4時間以上の出発遅延、または欠航により4時間以内に代替便を利用できなかったこと
例）3時間50分遅れで出発し、4時間遅れで現地に到着した場合は対象外。あくまでも出発が4時間遅れた場合のみ対象。
（３）年間1回のみ保険金請求が可能
日本を出発する度に保険が付帯する一般的な航空便遅延特約と異なり、JALカードについては8/1～7/31の１年間に請求できるのは1回限りになります。
保険金請求方法
帰国後にJALUX保険サービスの窓口に電話して請求しました。
（株）JALUX保険サービス
0120-141-500
海外からは、03-5460-6950（有料）営業時間 ：月～金 9:00～20:00／土 9:00～17:00
（日・祝日・年末年始は休み）
電話で簡単な質問に答えた後、必要書類の案内書が郵送されてきますので、その案内に従って必要な書類をそろえ、JALUX保険サービスに返送しましょう。私が送付を依頼された書類は下記のとおりでした。
①海外航空便遅延見舞金制度 報告書兼見舞金請求書
②航空会社の証明書（原本）…スケジュール出発時刻及び実出発時刻が記載されたもの
③eチケット控え
④搭乗券の半券または搭乗証明書（コピー可）
この中で苦労したのが②の証明書です。ANAのサイトで出力できる遅延証明書は到着時刻の遅延しか証明してくれません。対して保険金請求にあたっては出発時刻の遅延を証明する必要がありました。ANAに問い合わせてもHPで出力される証明書以外は発行できないとのことで困ってしまいましたが、そこで私が利用したのFlightAwareというサイトの運行情報。このサイトの画面コピーを提出したところ、無事認めてもらうことができました。こうした情報は過去一定の日付までしか遡ることができないので、保険請求する場合には帰国後早めに用意することを強くオススメします。
JALカードの航空便遅延特約の最大の魅力は一律2万円補償！
さて、JALカードの空便遅延特約の”最大のポイント”は遅延等が発生すれば実際の支出がなくても一律2万円支給されることです。このことはサイト上にはどこにも記載されていないのですが、実際に請求してみたところ担当の方に教えてもらえました。
これに対してアメックス等に付帯している航空便遅延特約では、遅延が発生しホテルに宿泊したりレストランで食事をした際の実費が支給されることとなっています。言い換えれば実際に出費を伴わないかぎり遅延等が発生しても保険金は全く支払われません。
以下がアメックスの航空便遅延特約の約款です。
航空便を乗り継ぐ予定が、乗り継ぎ地点までの到着便の遅延によって搭乗する予定だった航空便に搭乗することができず、到着便の実際の到着時刻から4時間以内に代替便に搭乗することができなかった場合、ご宿泊料金やお食事代を2万円を限度として補償します。
搭乗する予定だった航空便について、出航予定時刻から4時間以上の出航遅延や航空便の欠航などで搭乗することができず、出航予定時刻から4時間以内に代替となる航空便に搭乗できなかった場合、お食事代を2万円を限度として補償します。
今回のように比較的軽微な遅延であればホテルには宿泊しませんし、ラウンジを利用できる人はレストランも利用しないでしょう。また実際問題として、遅延が発生した際のホテルの手配は航空会社持ちで提供されるケースも多いものと思います。
このように出費の有無にかかわらず一律2万円が支給されるのがＪＡＬカードの特徴ですので、両者の違いをよく理解して活用すると良いでしょう。またこの補償は航空券代金のJALカード決済の有無に関わらず自動的に付帯されるところもポイントです。もちろんJAL便以外の遅延等も補償の対象です。遅延の多いLCCも補償対象ですのでLCC利用機会の多い方には特にオススメできます。
尚、このお見舞い金制度が付帯しているブランドはＪＡＬ・Ｖｉｓａカード、JAL・MasterCard（いずれもCLUB-Aゴールドカード）の他、ＪＡＬダイナースカードとなります。一般カード、CLUB-Aカード、およびJCBブランド（プラチナ・ゴールドとも）にはこの特約が付帯していませんのでご注意下さい。尚、私はSuicaへのオートチャージでもマイルが貯まる、TOP&ClubQゴールドカード(VISA)を使用しています。
これからJGC修行を始める方は是非海外航空便遅延見舞金制度が付帯したＪＡＬゴールドカードをオススメします。フライト時のボーナスマイル25%upは大きいですし、初回入会ボーナスや毎年の搭乗ボーナス、そしてラウンジ利用などのJGC特典で毎年楽々年会費の元は取れてしまいますよ！
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